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創造の最前線から

放送技術エンジニアの仕事内容と求められるスキルとは――ケーブルテレビ可児、おりべネットワークが対談

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ケーブルテレビ会社では、地デジやBS・CSの電波をまとめて受信し、伝送路(ケーブル)を経由して各家庭に放送信号を送っています。こうした電波の受信/放送信号の送信を行う設備に関連する技術領域を「放送技術」と呼んでいます。今回は放送技術エンジニアとして活躍する二人のエンジニアをお招きし、詳しい業務内容やエンジニアとして求められる知識・スキル、仕事のやりがいなどについて、じっくりとお話しを聞きしました。

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INDEX
M.F

株式会社ケーブルテレビ可児
ICTソリューション部 ソリューショングループ

大学では電気電子工学を専攻し、放送技術を専門とする教授のもとで修学。2017年、新卒でケーブルテレビ可児へ入社し、情報セキュリティ管理者として社内IT機器管理業務に従事。2018年以降はFTTH幹線敷設業務、宅内端末管理業務に加え、放送受信設備・放送信号送出設備を中心とする放送技術領域設備の設計構築・保守・管理・運用を担当する。

Y.S

おりべネットワーク株式会社
技術部

定時制高校卒業後に地元企業への就職を考え、2007年、新卒でおりべネットワークへ入社。日々の業務や資格取得を通じて専門技術を身に付けながら、放送受信設備・放送信号送出設備を中心とする放送技術領域設備や伝送路設備全般の新規設備導入・保守対応・管理業務等を担当。2017年以降はFTTHサービス設備の構築業務にも携わっている。

メイン業務は放送受信設備と放送信号送出設備の設計・構築・保守・管理

 ──ケーブルテレビの放送技術とは、どのような技術領域のことを指しているのでしょうか?

Y.S ) 

ケーブルテレビ会社の屋上等に設置されているアンテナ(受信点)を経由して地デジ・BS・CSの放送信号を受信する「放送受信設備」、さらには放送受信設備で受信した放送信号を伝送路に送り出す「放送信号送出設備」、この2つの設備に関わる技術領域を「放送技術」と呼んでいます。
一般的なテレビ視聴の場合は、地デジやBS・CSの電波をマンションや戸建住宅に設置されたアンテナで直接受信します。一方、ケーブルテレビの場合は地デジ・BS・CSの電波をケーブルテレビ会社のアンテナでまとめて受信し、電波の変換や信号の増幅等を行った上で放送信号送出設備から伝送路(ケーブル)経由で各家庭に送っています。

M.F ) 

放送受信設備と放送信号送出設備は、複数の小さな機器の組み合わせで構成されています。通常は各ケーブルテレビ会社の機械室などにあるラックに収納されており、管理しやすいように「ここからここまでのラックが放送受信設備、ここからここまでのラックが放送信号送出設備」といったイメージで設置されています。放送受信設備と放送信号送出設備、さらには通信関連の設備などを合わせたケーブルテレビ会社のシステムを「ヘッドエンド(HE)」と呼んでいます。

 ──ケーブルテレビの放送技術領域には、どのような業務があるのでしょうか?

M.F ) 

放送受信設備と放送信号送出設備の設計・構築や保守・管理・運用がメイン業務となります。設計・構築に関しては、各チャンネルへの周波数の割り当てなど、ソフトウェア的な設定を行う業務が多いですね。最近スタートしたBSの4K・8Kサービスに関しても、サービス開始前にチャンネル周波数の再設定を行いました。

Y.S ) 

設計・構築は、基本的に新サービスの立ち上げや新しい機器・システムの導入に合わせて行う業務です。ハードウェアの構築に関しては、ベンダーや保守会社に委託することが多いものの、機器の実装方法や配置方法、配線などの設計に関しては、私たちのようなケーブルテレビ会社側のエンジニアとベンダー側のエンジニアが協力し合い、詳細な打ち合わせを重ねながら進めていきます。

──保守・管理・運用についても教えていただけますか?

M.F ) 

日常的に監視装置や目視で機械類の稼働状況をチェックしています。機械にトラブルが発生した場合は、監視装置からの発報アラームがエンジニア各自の携帯・スマホに届くなど、素早く対応できる体制を整えています。

Y.S ) 

24時間365日の安定稼働を前提とした冗長化計画の立案・実行、さらには設備を構成する機械類の耐用年数を踏まえた効率的なリプレイス計画の立案・実行なども、保守・管理・運用領域における重要な仕事となります。

──設備や機械の設計・構築、保守・管理・運用以外の業務はありますか?

Y.S ) 

放送や通信といったケーブルテレビ会社の事業は基本的に許可登録制です。そのため、放送技術に関する新しい設備・機械を導入する際は、必ず総務省や総務省管轄機関への設備登録申請が必要になります。設備や工事に関する図面など、さまざまな申請書類の作成を含む登録申請業務も私たちが担当しています。

放送技術エンジニアに求められる知識・スキル・技術とは?

──放送技術の仕事を担当するには、どのような知識・スキル・技術が必要になりますか? たとえば学生時代の専攻や研究をストレートに活かすこともできるのでしょうか?

Y.S ) 

私は高卒でこの仕事を始めていますし、完全に文系なので、仕事に必要な知識や技術はすべて入社後に身に付けました。ただし、オームの法則や電気抵抗といった電気分野の基礎知識があれば仕事に活かしやすいと思います。理系の大学や高専、工業高校の電気科で学べる範囲の知識で十分です。

M.F ) 

通信領域の業務になるとLinuxなどサーバOSの知識も必要になりますが、放送技術領域に関して言えば電気分野の知識の方が大切ですよね。あとは放送信号の強さや品質を測る測定器の使い方、同軸ケーブルや光ファイバーケーブルの扱い方、放送受信設備・放送信号送出設備の構成や構成機器に関する知識・技術などが必要になりますが、これらに関しては入社後に学ぶ人がほとんどだと思います。

──Y.Sさんは文系出身とのことですが、やはり最初は苦労されたのでしょうか?

Y.S ) 

そうですね。最初は電気や電波のイロハも知らなかったので多少苦労しました。上司からは「まずは資格を取りなさい」と言われていたので、さまざまな資格取得の勉強に励んできましたが、そのような取り組みの一つ一つが自分自身のスキルアップにつながったと感じます。
直近では1Gbpsまでの工事管理ができる「工事担任者(国家資格)」を取得しましたが、自分が資格取得の勉強をする際にインプットした知識を社内の勉強会を通してアウトプットするなど、全社的な知識の底上げにつながるような取り組みも進めています。

M.F ) 

資格取得を目指すことでスキルアップされたとのことですが、社内でY.Sさんを指導してくれる上司や先輩はいたのでしょうか?

Y.S ) 

業務に必要な知識・技術については、上司から直接教わったことが多いですね。私の上司は電気通信主任技術者の資格も持っているので、業務だけでなく資格取得に関するアドバイスをいただくこともあります。放送技術や電気のことについては本当に詳しい方です。

──ケーブルテレビ会社で放送技術の仕事に携わる魅力・やりがいについて、お二人はどのように考えていますか?

M.F ) 

「放送」というライフラインにも近いサービスを支える私たちの仕事には大きな責任が伴いますが、その責任の大きさに見合うやりがいがあると感じます。
ケーブルテレビ会社のサービスは、伝送路や宅内技術を経由してお客さまに届けられますが、あらゆるサービスは放送技術の領域を起点に展開されています。会社として新しいサービスを始める際にも、最初に切り替わっていくのは放送受信設備と放送信号送出設備を含むヘッドエンドです。社内の誰よりも早いタイミングで新しい技術や新しいサービスに触れられることも、放送技術の業務に携わる魅力の一つと言えるかもしれません。

Y.S ) 

ケーブルテレビ各社は、自社のサービスエリア管内のお客さまに向けてサービスを提供しています。当然、地上波のテレビ局や通信キャリアと比べて会社規模も小さいのですが、その分だけお客さまとの距離感も近くなります。私たちのような技術部門にも、お客さまからのお褒めの言葉や要望などがダイレクトに伝わってくるので、要望に対する改善もスピーディーに実施できますし、その効果・成果についても手に取るようにわかります。このような「手触り感」こそが、ケーブルテレビ会社で放送技術の仕事を担当するやりがいだと考えています。

IP放送への移行は大きな転換点になり得る

──今後、ケーブルテレビの放送技術はどのように変わっていくと考えていますか?

Y.S ) 

ケーブルテレビ各社は、同軸ケーブルでは実現できなかった4K・8K放送を、光ファイバーケーブルを用いた伝送技術で実現しました。今後も放送分野の技術はさまざまな形で進化を続けていく見込みです。私たちエンジニアも、常に新しい技術を習得し続けていく必要があると考えています。

M.F ) 

今後はIP放送への移行が大きな転換点になりそうです。急速に発展している通信技術に放送波を対応させることができれば、STB(セットトップボックス)とLANケーブルを接続するだけでテレビが見られるようになり、同軸ケーブルは不要になります。

Y.S ) 

IP放送に移行したとしても、放送技術領域の仕事が大きく変化することはありません。ただし、放送信号をIPに変換する機器を導入することになるので、今までの放送に関する知識・技術に加えて通信の技術も必要になるでしょうし、仕事の範囲は多少広がると思います。

──CNCIグループ各社との協力・協業体制についてはいかがですか?

Y.S ) 

ひまわりネットワーク、三河湾ネットワーク、シーシーエヌ、ケーブルテレビ可児、おりべネットワークの5社(ひまわりグループ局)では、四半期に1回、技術担当者が集まる会議体があり、お互いの取り組みや事例を共有し合っています。また、CNCIグループ各社の技術担当者が集まる会議も月1回のペースで開催しており、各社の新しい取り組みや課題の共有、フィードバックなどを行っています。

M.F ) 

おりべネットワークとケーブルテレビ可児の両社は専用線で結ばれており、有事の際は互いのアンテナを相互に利用できる仕組みが整っているなど、冗長化を目的としたハード面での協力体制も構築しています。エリアが隣接する会社同士だからこその取り組みと言えるでしょうね。

──最後になりますがCNCIグループに興味を持っている方々へのメッセージをお願いします。

M.F ) 

ケーブルテレビ局一社一社の規模は小さいかもしれませんが、私たちが提供していている放送サービスは皆さんがよく知る民放テレビ局のコンテンツと変わりませんし、私たちが提供している通信サービスは通信キャリアのサービスと同等のクオリティを誇っています。当然、一人ひとりの社員が担当する業務範囲は広くなりますが、幅広い業務を経験しながら成長したい方にはピッタリだと思います。

Y.S ) 

常に新しい技術やトレンドに対するアンテナを張り、インプットを続けられる成長意欲の高い方、さらにはインプットした知識を会社や周囲の人たちのためにアウトプットできる方に期待したいです。
また、地域に根ざしてビジネスを展開しているケーブルテレビ会社は、事業基盤や顧客基盤が安定しています。メーカーと比べても景気や為替の影響を受けにくいため、会社や事業の安定性を重視している方にもお勧めしたいですね。

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