CNCIが全国のケーブルテレビ会社に呼びかけ実現したeスポーツ大会「CATV Online Challenge CUP(以下COCC)」。ケーブルテレビ各社がeスポーツの大会を実施するに至った経緯や、その狙いについて社内の牽引役であるお二人に聞きました。大盛況のうちに幕を閉じた、第2回COCCの裏側ではどんなことが起きていたのか。通常のケーブルテレビの業務とは一味違ったプロジェクトに挑んだお二人の仕事ぶりや今後のビジョンに注目です。
全国39社のケーブルテレビ局が連携したeスポーツ大会COCC誕生秘話。
──さっそくですが、なぜケーブルテレビ局がeスポーツの運営をしているのか、その意図を教えていただけますでしょうか
eスポーツに取り組んだ最初の目的は、若年層へCNCIグループのサービスやCNCIグループのケーブルテレビ各社を知ってもらうためでした。当社は2018年頃に、eスポーツへ本格的に参入したのですが、その時はケーブルテレビの光インターネットは快適にeスポーツがプレイ出来ますという事を、若年層に向けて発信していました。その後、コロナ禍により変わることを余儀なくされた社会情勢などにより、当初計画どおりには進むことが出来ませんでした。
一方で、eスポーツ自体はコロナ禍巣ごもり需要などもあり、プレイヤー数や認知度も大幅に向上しました。そうなると様々な人や自治体などもeスポーツの可能性に期待し、社会課題解決や地域貢献・振興などへの活用が進んできました。
そのような背景から、CNCIグループビジョン2030にも掲げた「地域を元気にする活動の強化」として、社会課題解決や地域貢献への方向でeスポーツへの取組をより強化していくことにしました。
──COCCとはどんなイベントなのでしょう
COCCは、全国のケーブルテレビの協力によって開催された、オンラインのeスポーツ大会です。これまで2回開催していて、2回ともにCNCIが、運営を主導させていただきました。第1回は、コロナ禍もありフルオンライン形式で行い、主に若年層をターゲットにしたものでしたが、第2回は方向性を変えて、親子参加型として、参加ケーブルテレビ各社にお越しいただいた上で、午前中は親子でプログラミングの基礎を学べる教室、午後は親子参加型のeスポーツ大会を実施。多くの自治体や地域の教育委員会にも後援していただけるイベントとなりました。
──「ぷよぷよ」でプログラミングを学べるのですか?
アプリ開発ツールを使った「ぷよぷよプログラミング」というものがあって、ある程度できているプログラムにコードを打ち込んでいくと、ぷよを操作できるようになります。こう書けばこう動くんだと学んでいって、失敗したらどこで失敗したかを調べて学習していく内容になっています。
COCCのそもそものきっかけは、(一社)日本ケーブルテレビ連盟が策定した『2030 ケーブルビジョン』の業界内外パートナーシップによる連携サービスの実現、新しい価値の創出を目指し、当時全国のケーブルテレビ各社も注目していた、eスポーツをテーマに賛同ケーブルテレビ各社へ呼びかけました。CNCIは元々「UCHABLE(読み:ウチャブル)」というeスポーツ大会をグループ独自で行っており、そのノウハウを提供できるのではないかという思いから、eスポーツ大会を提案したのです。
地域活性化のきっかけづくりこそ、ケーブルテレビの存在意義だと思う。
──なぜeスポーツ大会を行うことが地域貢献になるのでしょうか?
我々は「UCHABLE」を通して、eスポーツは年齢や性別や場所にとらわれる事なく、人と人とのつながりを生み出してくれるものだという確信を得ました。地域の幅広い世代の人々をつなぎ、知識も身につけられるゲームには、共生社会を実現する可能性が詰まっている。テーマを決めて行うeスポーツ大会の開催は、ケーブルテレビだからできる地域貢献だと思います。
おっしゃるとおりですね。第1回目は全国38社のケーブルテレビが参画し、先日行った第2回目は39社が参画。350組700名を超える親子がエントリーしてくれました。決勝戦はeスポーツのプロプレイヤーや芸能人を解説・ゲストに招き、大盛況のうちに終わりました。賞品には大会オリジナルグッズをプレゼントするなど、ケーブルテレビらしい地域密着の大会になりました。全国各地のケーブルテレビ会社でプログラム体験も企画して、学びと競技の両軸で楽しんでもらえた手応えを感じています。
COCC を通してCNCIだけがeスポーツイベントのノウハウを得て成長するのではなく、他のケーブルテレビ局と共に成長していきたいですね。実際に、COCCの教材や台本を使ってプログラミングを学ぶイベントをショッピングモールで開くなど、この取り組みがきっかけとなって地域を盛り上げる事業が生まれ始めているんです。これこそが、業界内外パートナーシップによる連携の実現だと思います。
eスポーツ大会を運営した経験が若手社員の力になると信じている。
──COCCの運営は、どちらがメインで進めたのでしょうか?
第1回は、全く新しい試みだったので私が手探りで進めましたが、第2回は若手社員であるMさんにメイン担当をお任せしました。
──若手のMさんにお任せしようと思った理由はありますか?
もともと、メイン担当を任せられるだけのポテンシャルがあるとの期待からです。彼もゲーム好きという一面があるので、好きなことなら仕事としても楽しめるだろうという思いがありました。
確かに、若手ながらMさんは大きな仕事をやり切ってくれましたね。大会の構成から主催者とのやりとり、解説者の手配や協力会社との調整まで仕事は多岐に渡って大変だったと思います。市町村や教育委員会に後援してもらえるような説明資料の作成にも挑戦してもらいました。COCCの44の後援団体のほとんどが県や市町村の教育委員会なのですが、そういった方々に後援してもらえたことは、ケーブルテレビ局のミッションでもある地域との連携を達成できたといえるのかなと思います。
──大規模なイベントとなりますので、やはりトラブルなどもありましたか?
色々ありましたね。音声トラブルで実況者の声が聞こえなくなったり、映像がうまく切り替わらなかったりという技術的なものは、適宜Mさんに対処してもらいました。進行が順調に進みすぎて尺が余ってしまうという演出上のトラブルの際は、出演者に場を繋いでいただくよう指示をしたり、余った時間の分の試合を追加したり、生放送なのでその場で判断してリカバリーしなければいけません。いざという時はチームの力がものをいうので、普段から運営チーム内で綿密にコミュニケーションを取ることが大切なんですよね。
トラブルは突然ですからね。コミュニケーションを積極的に取る姿勢や、フットワークの軽さは、この案件に限らずCNCIの全員に必要なスキルだと思います。
そうですね。イベントのディレクションでは誰に対して何を伝え、何をしなければいけないか、常に先を考える必要があるので、Mさんはこの経験を通じて俯瞰して物事を見る力が身についたなと感じました。
それは良かったです。だからこそ、重要な案件こそ、どんどん若手に任せたいですよね。今回はMさんをメインに据えて、もう1人のADを任せた若手社員がいるのですが、2人ともしっかりとイベントを取り仕切ってくれて、頼りがいがありました。
──最後に、この記事を読んでCNCIグループに興味をもった学生の皆さんへのメッセージをお願いします。
CNCIグループの仕事は本当に幅広いということを伝えたいですね。若手社員であってもeスポーツ大会の運営という大役を任されることだってあります。地域への貢献にはこんなやり方もあるのか!と見識も広がると思いますので、ご自身が思う以上に成長できる環境だと思いますよ。
CNCIの案件は様々ですが、共通するのは企画力、提案力、実行力、コミュニケーション力が必要だということです。若手社員だけでなく皆が専門性を高め、地域課題を解決するエキスパート集団となれるよう、これからも育成に力を入れていきますので、興味のある方はぜひ一緒に働きましょう!
※掲載記事の内容は、取材当時のものです
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